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「とにかくひどい。私が受けた精神的被害は、どれだけ謝られてもおいつくものじゃないですよ。絶対に、許すつもりはありません」
 青白い肌をした肉の薄い男だった。印象は地味だが、潤んだ黒目が魅力的といえば魅力的な、マスコミ人にしては綺麗な顔だちをしている。
 長めの髪は柔らかいウェーブがかかり、声はやや甲高い、一見して内向的なインテリ気質が想像できる。
 これでデイパックでも背負わせれば、アキバ系男子一丁上がりだ。
 ケイは、無言で、今日三度目になるVTR映像を見る。
 初めてお目見えする。
 運命の6月23日、柏葉将逮捕――つまり、ストーム崩壊の最後のきっかけとなった男。
 フリールポライター道徳和弘。
 それまで会社員(三十五)としか公表されていなかったミスターXが、初めてマスコミに実名と素顔をさらしたのである。
 いや、あるいは、ようやく出してきたと言ってもいいのかもしれない。
―――間違いない、こいつが、東邦の切り札だ。
 しかもカードでいえば、ジョーカーかオールマイティ。
 画面の中、男は、きりっとした眉に困惑を浮かべながら、冷静な口調で続けた。 
「海外逃亡とか、虚偽の供述とか、とんでもない話ですよ。常識で考えてみてください。僕がそんなことをして、一体なんのメリットがあるんですか。僕が姿をくらまして、メリットがあるのは、むしろJ&Mさんの方じゃないですか」
 落ち着いた口調、抑制された眼差し。
 おそらく何度も練習したのだろう。見れば見るほど計算されつくしているという気がしてならない。視線の配分も、表情も、衣服や髪型も全て。
 それは間違いなく、テレビの前の、何万もの視聴者に好印象を与えるために用意されたものだ。
 背中しか見えないインタビュアーが、控え目に口を挟む。
「では、あなたが日本にいられないと思うほどの圧力があったと……」
「相手はあのJ&Mと、それから外務省なんですよ」
 質問をはぐらかしつつも、男はインタビュアーの言葉を否定しない。
「僕みたいな、食い潰れたフリーの記者には、どうすることもできませんよ。僕は一方的に殴られただけで、警察だって呼んだわけじゃない。むしろ、相手は将来ある若者ですから、できるだけ穏便に済ませようと思っていたくらいなのに……」
 苦しげに言葉を切る。
 あたかも、それは柏葉将に同情しているような表情だった。
「なのに、退院した途端、嫌がらせや中傷や、脅しの電話がかかってくるようになって……柏葉将を告訴したら殺してやるとか、夜道には気をつけろとか、もう、ノイローゼになりそうで……」
 ふっと視線をそらした男の目が、刹那に潤んだように見えた。それを隠すように手で目元を抑え、再び気丈な眼差しで顔を上げる。
「そんな時、フィリヒンの友人から仕事を手伝ってほしいと言われまして……」
男の説明が長々と続く。
「本当だと思う?」
 ケイは、背後のミカリに声をかける。
 うさんくさい。
 それが、ケイが率直に感じた印象だった。
 同じように感じる者はいるだろう、しかしそれは少数派で、おそらく視聴者の大半が、彼の言葉をそのまま信じてしまうのではないか。
 そういう意味では、このインタビューは成功だ。予想外にひ弱で、そして綺麗な顔をした男は、全くの所申し分のない「被害者」である。
「わかりません、ただ、随分練習してきたな、という感じはしますね」
 ミカリは静かな声で答える。
「TBC放送は、国営テレビをのぞけば、東邦バッシングに唯一参加しなかったキー局です。もしかするとここが民放連の内通者だったのかもしれません」
「……真田の爺さんがやってるジャパンテレビ買収の協力者が、TBCだったってことか」
「少なくとも、このインタビューは、相当前から準備されていたと思っていいでしょうね」
 テレビでは、男が冷静な口調で続けている。
「外務省の方ですから名前までは伏せますけど、穏便にできないか、二百万くらいなら用意させる、そんなこと言ってくる方もいたんです。そりゃ怖かったですよ、相手は大企業と国家権力ですからね、もう事件のことなんてどうでもいいから、静かな所で生活したい、正直、その一心でした」
「柏葉家から、慰謝料のようなものは出たんでしょうか」
「そういう打診は確かにありました。弁護士さんが来られて示談の条件をあれこれ言われましたけど、お金は一切受け取ってないです。……向こうさんは、治療費だけでも、と思われたようですけど、……僕としては、一言謝ってもらえればそれでよかったわけですし……」
 辛そうに言い募る男は、時折当時のことを思い出すように苦悶の表情を浮かべる。
 演技だとしたら迫真ものだ、とケイは思う。
「では、謝罪の言葉は、まだないと」
「ないですね、はい」
「もう一度聞きますが、喧嘩になった原因は、取材をめぐるトラブルだったんですね」
 小さく頷き、男は訴えかけるような眼をカメラに合わせた。
「そりゃ、柏葉君は若いし、スターだから、僕らみたいな社会のダニに追いまわされて、かっとなるのも判ります。彼がキレやすい性格で、ちょっとした言葉づかいひとつ間違ってもスタッフを怒鳴ったりするっていうのは、噂でよく聞いていましたから……、気をつけようとは思っていたんです」
 そんな噂、初めて聞いたよ。
 ケイは思ったが、それはかつてストームの不仲がささやかれた頃、実際に女性週刊誌を賑わせたゴシップでもある。ケイの憶測では、それをリークしたのは、真咲しずくだ。当時、アイドルとしては終息期を迎えつつあったストームを、再度全国区に売り出すために。
 あの女、とんだ伏線まで張ってやがった。
 ケイは、ぎりりと奥歯を噛む。
「具体的にはどういった経緯で、当夜は、柏葉さんと二人で会うことになったんでしょうか」
「裁判になるかもしれないので、簡単にしか申し上げられないですけど、僕は、とある知人を通じて、柏葉さんに取材といいますか、単独インタビューを申し込んでいたんです。それは、忙しいという理由で事務所さんから断られたんですが、一度挨拶したいということを申し上げますと、その知人が、事務所を通さない形でセッティングしてくださいまして……あの夜、初めて柏葉さんとお会いしたというわけです」
「そのお知り合いの方も、当夜同席しておられたんですか」
「いえ、来られたのは柏葉さん一人でした」
「その後、どうしてトラブルに」
「……わかりません……僕の態度に、問題があったのかもしれないですが」
 男の声が、そこで少し小さくなる。
「これ以上は、今申し上げられないです。さきほども言いましたが、裁判で争うことになるかもしれませんので」
「そういえば事件後、あなたは警察に、柏葉さんにカメラを取られたと訴えたそうですね」
 はっと、男の目が輝いた。
「それはね、そこだけは申し訳なかったと思ってるんですが、カメラのことは僕の勘違いだったんです」
 ふと、ケイは視線を止めていた。
「ちょっとここ、巻き戻してくんないかな」
 背後のミカリに指示を出す。
 ミカリが即座に、インタビュアーの質問まで巻き戻した。
「何か気になることでもありますか」
「…………」
 ケイは無言で吸いさしの煙草を口に挟む。
 再度同じ映像が流れ、それは再度、同じ違和感をケイに与えた。
「カメラはね、車の中にあったんですよ。後部座席の下に入り込んでて……ちょっと見つけられなかったんですね。僕も殴られた直後で、ひどく動顛していたものですから、手元になかったんで、てっきり柏葉君が持って行ったんだろうと思ったんです」
「何故、そう思われたんでしょう」
「あまりにひどく殴られたんで……何かこう、強盗にでも襲われたような、そんな錯覚があったのかもしれないです。咄嗟に財布があるかどうか確認したくらいですから、今思えばおかしい話ですけども」
 生々しい写真が映し出される。
 青黒く腫れ上がった頬。血に染まった歯茎。
 無残な痣が随所に浮かぶ、力なく垂れた血まみれの腕。
 事件直後の写真である。
「もういいよ」
 ケイはVTRを消して立ち上がった。
 最悪だ。
 他に言葉が見つからない。
 予想しうる限り、最悪の爆弾が投げ込まれた。
 しかも、ケイが考えうる限り、敵にとっては最もベターで、そしてJ&Mとっては、最低最悪のタイミングで。
 午後のワイドショーを皮切りに、夕方のニュース、夜のニュースでも取り上げられたその写真は、何よりも雄弁に、柏葉将の罪を糾弾していた。
 視聴者は、そのあまりの残酷さに、もはや目をそむけるしかないだろう。
 目に見える形での暴力。
 思考はそこで停止したも同然になる。圧倒的なリアルの前には「謀略」だの「虚偽」だの、疑念を挟む余地さえなくなってしまう。
 そして、停止した思考は、同じ結論に行きつくのだ。柏葉将のような乱暴な若者には、やはり社会制裁が必要だと。
 インターネットは、放送直後から暴発、暴走状態になっている。
 J&M、スポンサー企業である鏑谷プロ、最初にストームを持ち上げたジャパンテレビの公式サイトには、批判の書き込みが何千と相次いでいる。
 各種掲示板、個人ブログも同様だ。この瞬間を待って、再び世に出ようとしていたストームを潰したかった連中が、よってたかって醜悪な祭りを催し始めている。
 ストームは……目立ちすぎたのだ。
 ケイは、拳を握りしめながら、夜を睨む。
 読み間違えた。
 世論操作という勝負で、最後の最後で失敗した。
 大波を呼ぶつもりが、大津波がきた。それは今J&Mを飲み込んで、激流の彼方へ押し流そうとしている。
 おそらく、もう二度と取り返しはつかないだろう。
 インタビューでは明かされなかった被害者男性の意図なら、すでにJ&Mに正式に伝わっている。
 柏葉将をストームから脱退させること。
 コンサートを中止すること。
 そのふたつが聞きいれられない場合、民事提訴となる。
 訴訟となれば最終的には柏葉将が勝利するかもしれない。
 あれほど確実とみられた刑事訴追が見送られたことから、むしろ、その可能性の方が強いだろうとケイは思っている。あの事件には裏があり、虚偽がある。だからこそ被害者男性がのこのこ出てくることなどあり得ないと思っていたのだ。
 しかし、出てきた。
 おそらく男にとっては、民事裁判の行方などどうでもいいことだったから。
 男に失うものはなにもない、しかし、柏葉将にはそれが――ある。
 この段階での命取りとも言うべきスキャンダルで、彼は、民事訴訟の勝利を得る前に、全てを失うことになるだろう。そして、まさにその展開が、男の本音に違いなかった。
 あと、少しだった。
 ジャパンテレビとの争いに乗じて、東邦を攻撃したのが間違いだった。もう少し慎重に、姿勢を低くして挑んでいれば……。
 慙愧に揺れるケイの胸に、男が最後にとうとうと語った長い訴えが蘇る。
「これまで僕は、柏葉君を糾弾するつもりはありませんでした。謝罪の言葉こそありませんでしたが、彼は芸能界を引退しましたし、僕以上に全てを失いましたから。でも」
「まるであの事件のことなどなかったかのように、今、テレビにでまくっている彼の姿を見ていると、このまま泣き寝入りしていいのかと、あれだけのことをした人間が、ろくに反省もしないまま、またちやほやされて、それでいいのかと」
「一番許せないと思ったのは、この事件で、あたかも僕が虚偽の供述で柏葉さんを陥れたかのような、そんな報道がなされたことです。携帯電話が落ちた場所がどうこう言われているようですが、実際、僕はもうパニック状態だったんです。多少の記憶違いはあっても仕方ない状態だったんです」
「全ては、法廷で決着をつけたいと思っています。もちろん柏葉さんから話し合いたいという意向があれば、僕は逃げも隠れもしません。けれど求めているのは金銭ではありません、むしろお金など一切いりません、彼が本当に反省しているという証がほしい、僕の願いはそれだけなんです」



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「君らメディアの無責任体質というものには、全く、敬意さえ感じるほどだな」
 ばさりと卓上に投げられた雑誌。
 筑紫亮輔は無言で肩をすくめた。
「どこだってそうでしょう、欲しいのは数字と金だ」
 そして返す刃を、珍しい客人にひらめかせる。
「それともなんですか、おたくのボスがジャパンテレビを手にいれたら、公正、公平、世の中のためになる番組づくりを心がけるとでも?」
 わずかに唇が笑いのようなものを刻んだものの、返ってくる言葉はなかった。
 東京、神田。
 貸しビルの六階にある小さな事務所。
 筑紫亮輔自らが編集長を務めるこの出版社は、宗栄社から解雇された時に有り金はたいてたちあげたものだ。
 旧J&Mとの確執に敗れ、大手メディアからその存在自体を黙殺された筑紫は、自分と同じ、この業界ではならず者と呼ばれたフリーのスクープ記者を大勢囲い、記事の売り込み、告白本、暴露本の類で今日までの地位を築いてきた。
 筑紫は、卓上に並んだ新聞のゲラ刷りを取り上げる。一面の見出し記事は、筑紫自身が用意して匿名で売りこんだスクープで、それは明日、全国に向けて発売される予定だった。
 暗く陰ったオフィスの中、パーティションの裏では唯一筑紫の裏表を知りぬいている相棒がパソコンのキーを打っている。
 かつて宗栄社文芸部在籍中、同僚の女性編集者を「売った」ことが社内に広がり、暗に退社勧告が出されていた女――大澤絵里香。
 筑紫自らがスカウトして引き抜いた、唯一の女性スタッフでもある。
 本当は、今夜のような危険な来客は一人で対応すべきだし、してきたのが筑紫のやり方だったが、この女――大澤絵里香だけは特別で、気がつけば危険水域にまでもぐりこみ、いまや、逆に、手放すのが危険な存在になりつつあった。
 深夜ゼロ時。寡黙な来客は、無言で煙草を吸い続けている。
 筑紫は、赤字が踊る紙面を見る。これがおそらく、ストームにとっては最後の引導代わりになるだろう。
 明日は……成瀬雅之の舞台初日。
 ストームにとっての本当の地獄は、いってみるなら明日から始まるのかもしれない。
「メディアは一斉に、ジャパンテレビ批判を始めたそうですね」
 煙草に火を点け、誰に言うともなく筑紫は口を開いた。
「例の被害者がテレビに出た翌日から、メディアを席巻したのは打って変わった反省ムードだ。偏重報道を繰り返し、視聴率ほしさに犯罪歴のある人気タレントを応援したばかりか、被害者を傷つけるような番組を作ってしまった……云々。その原因を突き詰めれば、もともとはジャパンテレビが買収防止のためにストームを使って、東邦を攻撃したことにあったということで……」
 世論操作目的でストームを担ぎ出したことが、ジャパンテレビの信用を一気に失墜させた。
 そのからくりを、ブログ、投稿記事、息のかかった批評家等を使って、あらゆる所で喧伝してまわったのが東邦プロ――いや、ここに座る男、耳塚恭一郎である。
 筑紫はにやりと唇をゆがめた。
「皮肉なものですよ。よかれと思ってやったことが、ジャパンテレビにとっては、まさに命とりになっちまったわけですからね」
 ジャパンテレビの買収反対一派は、この大失態の責任を負わされ、社内から追放されたと聞いている。
 完全なる内部崩壊。しかも、世論の支持も失った。
 おそらく今週中にも、ジャパンテレビと東邦EMGプロの業務提携成立が発表されるだろう。そしていずれは、真田孔明がその取締役の座につくことになる。
「おたくのボスのお得意の手法ですね。目の上のたんこぶみたいな連中に、旨い話を持ちかけて、乗ったところで叩き落とす。その派閥ごときれいにね。昔J&Mで起きた内紛もそうでしたっけ、ヒカルの移籍を扇動して、最終的には一番手ごわかった古尾谷のじいさんを追放させた。唐沢のバカは、今でもあれは自分の策略だと思ってるでしょうが、とんだお笑い草だ」
 対面に座る男は答えない。
 筑紫の話に表情ひとつ動かさないが、筑紫は内心確信している。ジャパンテレビとJ&Mは最初から策中にはまっていたのだ。この結末は、おそらく最初から想定されていたのだろう。
「……ジャパンテレビは、当初、情熱王国の企画を見送る予定だったそうですよ」
 筑紫は続けた。
「現場の若手は乗り気だったそうですが、制作部長が危険すぎると言って譲らない。いったんはお蔵入りしたそれを、鶴の一声で変えさせた人物がいたそうです。まぁ、天の声が誰のものかまでは掴めてはいないですけどね」
「筑紫君」
 ようやく、金属が軋むような声が返ってきた。
「うちのボスは約束をたがえたりはしないよ。ジャパンテレビという組織の中で、君は確実に一つの主要ポストを手にいれるだろう」
 言葉は優しいが、その眼差しは威圧するような凄味があった。
 筑紫は目をすがめ、焦点の定まらない男の目を見る。
「そんな約束をした覚えはありませんがね」
「いい仕事には報酬がつきものだよ、筑紫君」
「ありがたいお話ですが、こっちは、あんたらのために仕事をしてたわけじゃないんで」
 うっすらと笑った男の指が、とん、と筑紫が投げだした新聞のゲラ刷りを叩く。
 それが何を意味しているか悟り、筑紫はわずかに眉をしかめた。
 今更、逃げられると思っているのか。その目がそう言っている。
「筑紫君」
 男は、椅子を軋ませて立ち上がった。
「うちのボスも、君と思うことは同じだよ。メディアという第四の権力の王になりたい、それだけだ。君との相違は、それ自体が目的であるかツールであるかというところだろう。なぜなら君は、メディアこそが、この世で最高の権力だと信じており、それを否定するものが単に許せないだけだからだ。君が欲しいのは数字でも名誉でも新しい出版社でもない、それを証明し、実証することにある、そうではないのかね、筑紫君」
「…………」
「君の信念の出所が、自殺した君の父親に起因しているのかどうか、それは想像するしかないがね。少なくとも今の君は、我々のツールの一つだ」
 今度は筑紫が、薄く笑う番だった。
 ツールも目的もない。メディアとは、神だ。
 何故ならこの世界に、そもそも真実など絶対に存在しないからだ。
 ひとつの事象には百万の背景があり、裏がある。その中にあって、どの「真実」に光を当てるかは、まさに神しかできないことではないか。
 真実に振り回されて自殺するなど愚の骨頂だ。メディアの使い手は、神の使い手であればいいのだ。
 そう、神の使い手である以上、それが、愚劣な芸能事務所などの手下であっていいはずがない。
「さて」
 耳塚はきびすを返して歩き出した。
 巨大な影が、座ったままの筑紫を覆う。
「その前に、君らにはしばし、日本を離れてもらうことになる」
「いっときますけど、あんたらの言いなりになる気はありませんよ」
 煙草を灰皿に押しつけて、筑紫は通り過ぎる男を見上げた。
「俺を甘くみないでもらいたいね」
 筑紫の切り返しに、初めて耳塚はゆったりと笑った。
「素敵な旅を」











                

 

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